『お薬と生活』コーナーでは、お薬や健康生活にまつわる話題を取り上げています。
日々の生活の中に取り込めるちょっとした工夫や季節に応じた健康対策のほか、ケイアイエム(KIM Pharmacy)の薬局店舗での取り組みなど、みなさまの健康生活をサポートする情報を提供しています。
長引く咳に隠された意外な病気
2015年10月
季節の変わり目や風邪をこじらせると思いのほか咳が長引くことがあります。
そんな時、市販の咳止めをのんで終わらせる経験がある方も多いでしょう。咳の多くは風邪ですが、1ヶ月以上咳が続く場合は意外な病気が隠されていることもあります。
ずっと咳が続いてる患者さんに制酸剤(胃酸をおさえる薬)が処方されることがあります。
診断名は逆流性食道炎です。どんな病気かというと、胃酸は食べ物をどろどろに消化させる非常に酸性度の高い液体です。胃は胃酸のダメージをうけないように保護されてます。しかし胃の上にある食道には保護する機能がありませんので、間には弁があって通常は胃の中の物が食道に戻らないようになってます。ところが弁のしまりが悪い、胃酸が多いなどの理由で胃酸が食道へ逆流してしまうことがあります。これが逆流性食道炎です。強い酸のせいでのどや気管支まで炎症をおこす事もあり、それが咳の原因となることもあるのです。
たかが咳、と思っても長引く時はお医者様にかかりましょう。
逆流性食道炎や胃炎の際の食事
逆流性食道炎や胃炎の時の食事についてもよく質問されます。どんなものを食べたらいいのでしょう。
おすすめの食品
- おかゆ、パン
- 半熟卵、豆腐、納豆、鶏ささ身、赤みのひき肉、白身魚
- かぼちゃ、トマト、人参、大根、キャベツ、白菜、里芋、ブロッコリー
- 牛乳、ヨーグルト、りんご、バナナ、いちご
控えたい食品
- コーヒー
- かんきつ類
- 香辛料(カレー、唐辛子など)
- 塩分が高いもの
- きのこ、カルビ、豚バラ肉、ベーコン、たこ、イカ、こんにゃく
油っぽいもの、甘いもの、刺激のあるものは避けましょう。
腹八分目を心がけ、消化の良いものを食べて胃酸の分泌が少なくなるようにしましょう。
早食いや食べ過ぎ、お酒たばこもひかえましょう。
胃は心臓などと一緒で自分で動かしたり命令しなくても勝手に動く器官です。
主人が休んでいる間も一生懸命働いている胃を、時々いたわってあげてください。